初耳学【昆虫学者宮竹貴久教授のウリミバエ根絶プロジェクト】
2021年8月8日放送の日曜日の初耳学で昆虫学者の宮竹貴久教授のウリミバエ根絶プロジェクトについて紹介されました。
昆虫学者・宮竹貴久氏
宮竹貴久教授は昆虫学者で、
偏差値39から世界的権威にまで昇り詰めたリアル版ドラゴン桜と話題の先生。
岡山大学で昆虫を主に題材とした進化生物学の世界的権威。
ウリミバエ根絶プロジェクト
進化の仕組みをわかっていれば生き物は変異するのが当たり前だと宮竹貴久教授は言います。
ですから少しでもすり抜けるような変異体が現れることで瞬く間に置き換わっていくと言ういたちごっこになってしまうようです。
そこで対抗するためのヒントになるかもしれないと注目を集めているのがウリミバエ根絶プロジェクトということです。
ウリミバエ根絶プロジェクトとは
ウリミバエ根絶プロジェクトは1972年から1993年まで行われたプロジェクト。
体長8ミリの昆虫ウリミバエの底なしの食欲と桁外れの繁殖力によって卵を生みつけられた野菜は幼虫に食い荒らされて困っていたということ。
そのため幼虫が県外へ出ないように植物防疫法によって沖縄奄美地方から本州へゴーヤやマンゴーへの出荷を禁止していたそうです。
不妊虫放飼法と放射線
不妊虫放飼法は、ハエを作る工場によってまずはウリミバエをたくさん飼い、
そこに放射線を当てて、野外へ放します。
放射線を当てたオスは精子が異常になるので不妊化。
その不妊化したオスがメスを探しに行き、後尾はするものの不妊化しているので卵は生まれない。
その不妊虫をたくさん撒くと、いずれメスは出会う野生のオスがいなくなってしまうので子供が残せず根絶に至るという仕組みのようです。
そのために毎週1億匹の虫を作り、
ヘリコプターに乗せて、ヘリコプターから撒いていたということ。
最初の久米島を根絶するために5〜6年かかったということ。
- 久米島:1978年根絶
- 宮古群島:1987年根絶
- 奄美群島:1989年根絶
- 沖縄群島:1990年根絶
- 八重山群島:1993年根絶
地域を絞って徹底的に行った結果、ウリミバエの根絶に成功したということ。
一気にやるvsダラダラやる
沖縄本島で根絶できない地域があったということですが、
その原因は、野外のメスがオスを選り好みし、メスが正常なオスを認識しだしたことによるようです。
つまり、一気に撒いたところは根絶できたのですが、
ダラダラやることでメスが妊娠しないオスに気づくようになってしまうということ。
ですから追加でたくさんの不妊虫をヘリコプターで撒くだけではなく、
衣装ケースにハエをいっぱい詰めて根絶できない地域まで行き、
山にハエを撒くということを2〜3週間行ったそうです。
そのときに得た教訓が
虫を根絶させるためには一気にたくさんの不妊虫を撒いて封じ込めることが重要だということ。
敵にゆとりや時間を与えてしまうと必ず抵抗性が発達して作戦が崩壊してしまうということ。
まとめ
どんなものでもそうなのかもしれませんが、
一気にやってしまわないと結果が出ないということもあるのかもしれませんね。
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